お久しぶりです。数学専攻M1の松岡です。図書館開館に伴い今週から学修相談も再開しました。私の相談時間が少し変更になり,今週から 月曜日 15:30-17:00 水曜日 16:00-17:30 になりました。大学院進学に関する進路相談や、数学に興味があって話してみたい方はぜひ気軽にお越しください! 今回は, 自己紹介の欄にも書いた, 私の研究・興味のある分野についての続きを話したいと思います。前回までは主に「病的函数」というものについての紹介をしました。 前回までの内容はこちらから見られます ・病的函数について① ~Weierstrassの函数~ ・病的函数について② ~Weierstrassの函数~ ・病的函数について③ ~高木函数~ 今回はからは, タイトルにも書いた「$\varepsilon$ - $\delta$ 論法」について簡単に説明していこうと思います。 $\varepsilon$-$\delta$ 論法とは, 極限の厳密な定義で用いられる方法です。「極限」は高校の数学Ⅱで初めて出てくる概念かと思います。数列・函数の極限を数学Ⅲでも学びます。簡単の為, 以下では数列の極限のみを考えることにします。 高校では, 数列の極限を次のように学びます: 数列の極限(高校ver.) 実数列 $\{a_{n}\}_{n=1}^{\infty}$ が $\alpha\in \mathbb{R}$ に対して, $\{a_n\}_{n=1}^{\infty}$ が $\alpha$ に収束するとは, $n$ が 限りなく 大きくなるとき, $a_{n}$ が 限りなく $\alpha$ に近づくことをいう。このとき \[ \lim_{n\to \infty}a_{n}=\alpha \] と書く。 $\alpha$ を $\{a_{n}\}_{n=1}^{\infty}$ の極限という. 実際に, 数列 $a_{n}=\frac{1}{n},\ n\in \mathbb{N}$ を例に考えてみましょう。$n=1,2,3,4,\cdots,k,\cdo...