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【私の研究・興味のある分野について #2】~微分不可能な函数のお話~(数学専攻M2)

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こんにちは。数学専攻M2の松岡です。今回はタイトルの通り, 私の研究・勉強の興味のある分野について簡単に紹介したいと思います。前回紹介したものに続く第2弾となります。前回のお話は こちら から見られます。 さて, 今回の本題は 「具体的な微分不可能な函数を作ってみよう」 です。前回の記事では, 実数上のすべての点で微分不可能な函数を紹介しました。この例の函数はすべての点で連続なのにすべての点で微分出来ない訳ですから, 微分可能性としては強烈に悪いもの だと捉えることが出来ます。今回はその橋渡しとして, 微分可能性がまだ幾分かマシな微分不可能函数も含めて紹介します。 以下では, $\mathbb{R}$ を実数全体からなる集合とします。また, 考える函数はすべて $\mathbb{R}$ 上で連続なものとします。つまり, すべての点でグラフが繋がっているものとします。 (本当の所, 連続の概念をきちんと定義する為には, $\varepsilon-\delta$ 論法と言われるものが必要になります。その話を聞きたい人は是非ブースまでお越しください!) 皆さんが「連続だが微分不可能な函数の例を挙げよ」と言われて最初に思いつく函数は何でしょうか。多くの人は, \[ f(x) = |x|, \quad x \in \mathbb{R} \] という函数を思いつくと思われます。この函数は $\mathbb{R}$ 上のすべての点で連続だが原点 $x=0$ で微分不可能になります。このグラフを見てみると, 次のようになります: 原点 $x=0$ で下に尖っていることが分かります。ある点 $x=a$ に於いて微分可能とは, その点 $a$ で接線を引くことができ, それが唯1本に定まる状態だと捉えることが出来ます。今の場合は, 原点 $x=0$ で下に尖っているせいで, 下からも上からも接線が決まりません。 従って, この $f$ は原点 $x=0$ で微分不可能となります。 では, もう少し我儘な要求をしてみましょう。今度は1点と言わず, 複数個の点, いや, $x= \cdots, -3,-2,-1,0,1,2,3, \cdots $ のような無限個の点で微分不可能になる連続函数を作ってみましょう。ポイン

留学と言語学習について

火曜 15:3 0-17 :00 担当の CHOU です。   今回のテーマは留学と言語学習についてです。 皆さんは今まで留学を考えているのでしょうか? また、留学したい場合、どの国に行きたいですか? アメリカですか?中国ですか?あるいは韓国ですか?   留学に対して漠然な憧れがあっても、何から始めたらいいのかわからないことがいっぱい。 留学といっても色々なスタイルがある。 まずは留学に関する基礎知識を身につけ、自分がどんな留学をしたいのか条件を整理してみます。留学する際に必要になるものや注意することなど、知っておくべきことはたくさんがあります。 情報収集の手段 いろいろな媒体で調べて、自分に合った情報を多角的にさがそう。 留学の情報誌 留学情報機関や留学体験者のウェブサイト 留学関連のイベントやセミナー 留学カウンセリングを受ける 情報収集の際のポイント 情報収集をする際、以下をふまえながらさがすとより条件にあった留学先がさがせる。 留学の目的を考える ・・何のために留学するのか、目的・目標を明確に 留学の種類を知る ・・・語学留学、専門留学、大学留学など 留学したい国を調べる・・・国の特徴のほか、教育制度や物価なども知っておく 予算を考える ・・・授業料や滞在費、生活にかかる費用など留学先によってだいぶ違いがある 出発時期や留学期間を考える・・・目標達成までに必要な期間や準備に必要な期間など 留学条件にあった学校を探し出す・・・国や目的が決まったら、どんな学校があるか検索     どのような留学を期待しているのかを十分に把握できないため、投稿者が考えていることとは異なる答えになる可能性があります ...... ちなみに、富山大学にも素敵なプログラムがあります! 海外への留学を希望する方  - 富山大学(u-toyama.ac.jp) メリット ・海外留学は、グローバルな社会に必要な資質が身につく ・世界の各国に交友関係が広がるチャンス ・海外留学で得た成果は大学受験や就職活動に効果大 ・壁や挫折といった海外留学の逆境が、成長を加速させる  留学生活の楽しみのひとつがフリータイム。映画やショッピングに出かけたり、スポーツを楽しんだり、自分で好きなように過ごすことができます。自分のクラス以外の生徒と知り合うチャンス

さとうの卒論の時の話

 こんにちは、さとうです。 蒸し暑い日が続き、湿気のせいか洗濯物がいまいち乾かなくなりました。 今回は、僕が卒論を書いた時の話をしようと思います。 歴史の卒論ってどんな内容なのか、どんなことをするのかよりも、 4月から口頭試問までの2月までどんなスケジュールだったかをメインに書いていきたいと思います。 1.テーマ設定( 4月 ) まずは、テーマの設定でした。 僕は、2年生の時に授業で発表するために読んだ「金印勅書」に関する論文を読んでから、 「神聖ローマ帝国」や「金印勅書」に関心があったため卒論もそのテーマにしました。 人文学部は4月下旬に卒論の題目を教務に提出しなければならないので、 担当の先生と相談の上、題目を一応、「金印勅書」制定の目的としました。 2.先行研究( 教員採用試験・教育実習終了まで) 僕は教員志望だったため、試験がある8月までは試験勉強中心に、 先行研究や研究史をまとめたり、外国語文献を訳して読んでいたりしました。 主に「はじめに」にあたる部分を進めていました。 「金印勅書」の研究は、日本ではあまり盛んではなくドイツ語圏が盛んで、僕が読める文献が限られていました。 図書館にあったドイツ史の概説書や、数少ない専門書、CiNiiなどで探した論文を手掛かりに卒論を進めていきました。 3.史料の使用 歴史学では、当時の人たちが記した記録を史料(主に紙に記されたもの)と言います。 ※考古学の場合は土器や遺跡といったもの 例えば、当時の人が残した公文書や日記、手紙などです。 歴史学の研究はこういったものを使用します。 僕の卒論は「金印勅書」をテーマとしていたので、「金印勅書」を使用することになります。 しかし、「金印勅書」の日本語全訳はなく、その時はドイツ語訳、英語訳も検索不足で手に入れることもできなく、概説書で訳されているもので研究しました。 ※「金印勅書」自体はラテン語で書かれており、ちょっと原文の使用はあきらめました。 ※歴史系の卒論をやる人は、自分が手に入れることができる、言語を問わず、読める史料のテーマがおすすめです。  今の時代は翻訳サイトも優秀なので、外国語の史料でもなんとかなるかもしれません。 現在はドイツ語訳、英語訳を翻訳しながら研究を進めています。 ※翻訳してみると概説書などでは記されていないことがわかり、とても面白いです。 卒論の時は、

ちょっと見方が変わるかもしれない確率のお話

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皆さん初めまして! 今年度から学修相談スタッフになった理工学教育部1年数学専攻の森ですm(__)m   早速、専門分野のお話でも書こうかなと思いましたが、どうせならよりよく数学の話題を楽しめるようなことでも書こうと思います!  皆さんに早速問題です ! 総人口の0.1%が罹患しているある病気があります。この病気の疾患の有無に使われる検査での検査精度は99%であるとき、ある人が陽性と判定されました。では、この人が本当に陽性である確率はいくつか?  この問題をきいて、「陽性でも99%の確率で正しいのではないか?」と思った方もいらっしゃると思いますが、実際どうでしょう? これが実際の人数に当てはめてみるとわかりやすいので、実際に100000人いるとして当てはめると、 という風になります。 ここで実際に陽性と判定された人数は1098人に当たるわけですが、実際に患ってる人数は99人 となると確率は 99÷1098=0.0901... 約9%になります。 陽性って判定されてるのに実際に患っている確率は低いですよね。この99%が実は精度が低いということがわかります。実際にそういった誤診を含んでいることも考えると、再検査を行ってより正しい判定を出すことが重要になっていきます。 もし、テレビとかの宣伝で怪しい確率を見つけたら疑ってみると面白いです(^^)

発表するときに緊張せずにすむ方法(質問回答)

  お疲れ様です!火曜日の学生コンシェルジュ CHOU です。     次のような相談をいただきましたので、回答します。   卒業発表について、何かコツなどありますか?  私はとても緊張するタイプなので、うまく乗り切れるか心配です。 やはり誰でも発表するときに緊張しますよね。私も同じですよ。まず、心配しないで、気分を楽にして、調子を整えましょう。この困難を一緒に克服しましょう!   まずは発表を順調に終わるために、発表を練習することが大切です。 具体的には以下のような練習をしてみてはどうでしょうか。 l   まず、発表の内容を十分に理解し、重要なポイントが把握できます。文を丸暗記して自信をつけます。                                                                   l   そして、家で鏡や人形の前でイメージトレーニングをし、座ってではなく立って何度も発表の練習をすることが大切です。 例えば、 これを想像して、あなたの向かい側が学生たちです。 家などでリハーサルを重ねたり " 声を出して " 発表練習することが一番です。 l   もし一人で練習に問題がなくなったら、友人の前で練習してみましょう。 l   最後に、発表原稿を丸暗記するよりもアドリブで言えるようにします。アドリブの練習をすることで、非常に良い結果が得られることもあります。    私を例にとると、グループ発表する前に、人前でひたすら練習してます。友人の前で授業の後に教室で本番さながらに行ったり、プレゼンの教室に似ている場所で練習したりしました。発表前日は友だちの家に泊まりこみ、発表内容を唱え続けこともあります。   また、発表の日は早めに教室に行ってみんなを待ち、来た人に挨拶をして、自分はまずリラックスして雰囲気を作ります。そして、発表を聞いている人達たちは知っている人たちになっただから、恥ずかしくないで、緊張する必要がないと自分に言い聞かせていました。 きっと多くの人が悩まされる緊張、0にすることは難しいかもしれません。でもみんなは私が最高だと心の中で自分に言い聞かせてください。そして、ちょっとしたことで気持ちが楽になることがあります。そんな解決方法の引き出

さとうの自己紹介(専門分野)

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 こんにちは、 月曜15:30-17:00 担当のさとうです。 他のコンシェルジュさんがご自身の専門について紹介しているので、僕も真似して自分の専門について、今回書いていこうと思っています。 僕の専門は、広く言えば「 中世ドイツ史 」です。 「中世」といっても時代の幅は広く、西洋史の分野では一般的に「ゲルマン人の大移動(375年)」「西ローマ帝国の滅亡(476年)」くらいから「ルネサンス(16世紀)」とされています。 その長い時代の中で、僕は中世の後半、 1356年 に カール4世 という皇帝によって制定された「 金印勅書 」と呼ばれる法文書を研究しています。 「金印勅書のトリーア写本」(ドイツのWikipediaより) Goldene_Bulle_-_Komplettansicht.JPG (4320×3240) (wikimedia.org) *画像はパブリックドメイン 一応、高校世界史の教科書にも載っているのですが、1~2文くらいの説明で、僕も授業で発表する論文探しの時まで忘れていました。 教科書的には… 神聖ローマ皇帝 カール4世 が「 金印勅書 」を発布し、 七選帝侯 が決定され、国王選挙規定が確定した。しかし、「金印勅書」で 大諸侯に特権が認められ、領邦が独立した要因となった 。 小難しい単語がたくさん出てきて、よくわからない人もいると思います。 僕も高校時代、よくわからなかったです。 大学入試以降、授業用の論文を探すまで「金印勅書」や「七選帝侯」自体忘れていたのですが、ある論文を読んで「これはおもしろい‼」と思いました。 その論文では、「 金印勅書 」で特権を認められた 選帝侯 が カール4世 の息子で当時の国王の ヴェンツェル を 廃位 して、自分らの仲間から 新たな国王を選ぶ という出来事を扱っていました。 このことは世界史の教科書には載っておらず、僕もこの論文を読むまで知りませんでした。 僕はこの論文を読んで、「皇帝から特権をもらったのに、その息子を廃位するなんて!」と驚き、この中世ドイツという時代・地域にとても惹かれました。 卒論では、当時のドイツやその周辺の政治的状況やカール4世の自叙伝、「金印勅書」から、勅書制定の目的を探っていきました。 現在も引き続き、「金印勅書」をテーマに研究を行っています。 このブログを読んで、中世ヨーロッパや「金印