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私の研究・興味のある分野について③ ~高木函数~(数学専攻M1)

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こんにちは。数学専攻M1の松岡です。 「私の研究・興味のある分野」について引き続き紹介します。前回までは「病的函数」の1つの例であるWeierstrass函数についてお話ししました。前回までの内容はこちらです: ・前々回の記録(病的函数って何?① ~Weierstrassの函数について~ ) ・前回の記録(病的函数って何?② ~[続] Weierstrassの函数について~ ) 今回は,病的函数のもう1つの有名な例である「高木函数」といわれるものを紹介しましょう。 まず,函数の名前に「高木」という日本人の苗字が付いているのが気になりますよね? この「高木」は日本人の数学者である高木貞治(1875-1960)のことです。私自身,代数学の分野について詳しく無いので詳細は知らないのですが,高木貞治は代数的整数論に於いて多くの功績を残している人物と聞きます。また,高木貞治は多くの日本語の数学教科書を著しています。特に「解析概論」という名前の教科書はとても有名です。 (中央図書館の1階にも置いてあります。)   では,その高木函数といわれるものを定義していきましょう。 以下, $\mathbb{Z}$ を整数全体の集合とします。 函数 $d : \mathbb{R} \to \mathbb{R}$ を, \[ d(x) = \inf \bigl\{ |x-z| \mid z \in \mathbb{Z} \bigr\} , \quad x \in \mathbb{R} \] で定義します。 この $d$ という函数は,実数直線上の点 $x$ に対して,それと一番近い整数の点との距離を表すものです。勿論, $x$ が整数のときは,その点自身が整数なので自分自身との距離は $0$ となり, $d(x)=0$ がいえます。 一目で分かるようにグラフを描いてみましょう。 (正の部分のみ描いていますが負の部分でも同じ形をしています) これが整数との距離函数 $d$ のグラフです。ノコギリの歯のような形が実数直線状に延びている形になります。 この $d$ を用いて, 高木函数 $T$ を定義します。

まさかの偶然!!!(学修相談10/26)

本日は、人間発達科学部環境システム学科3年生の方が学修相談に来られました。 相談内容は「英語学習(英会話)」についてでした。  ネイティブ話者と卒なくコミュニケーションをとるにはどうすれば良いか…  私自身も十分にできるわけではないので、お互いにどうすれば目標に到達できるか考えながらお話ししました。  案としては、オンライン英会話の活用、学内にいる英語系授業担当の教員の協力を得て英会話練習、 YouTube等の動画を活用する(たとえば、IELTSのSpeakingの動画)、発音記号の発音を学べるアプリの活用等々が挙がりました。  これを読んでいらっしゃる方で、他に良い手段を知っている、実践済の方は教えてください!大変勉強になります!  さて、タイトルの通り「まさかの偶然」ということについてですが… 相談者の方は、図書館内の掲示を「偶然」見かけて、「英語!?お?!きいてみよう!」と思ってきてくださったそうです。  いいですね〜。大変ありがたいです!!!  さらに、あろうことか軽音系サークルの方でした。共通項が見つかり、話が弾みました! 何を隠そう私も現在軽音系サークルに所属しているので、仲間の話でも盛り上がりました!「偶然」ですね!  とはいえ、意外にも当人と私はこれまで面識がなかったのです…! たしかに、軽音系サークル(部活)は3種類あり、どれも所属者の多い団体ですから…  これからまた、どんな方が来てくださるか、一層楽しみになりました!  以上、月曜日13:00-14:30担当のたばでした!

大学での学修・進路に関して悩み事はありませんか? (10/23 学修相談)

こんにちは。数学専攻M1の松岡です。 前回と前々回の記事で,私の研究・興味のある分野の一部について少し紹介させていただきました。 前々回の記録(病的函数って何?①) 前回の記録(病的函数って何?②) 次回以降も私の興味のある数学の分野のお話や,なぜ私が数学(特に解析学)をより深く勉強したいと思ったかについて引き続き紹介していきたいと考えています。 ところで, 皆さんは自分がやってみたいと考えている研究・興味のある分野はありますか? 多くの学部学科では2年生の後期から今までに増してより専門的な講義が始まっていると思います。そこで様々な専門分野に触れ,それらの基礎を学ぶと思うのですが,自分が何に興味があって大まかにどのような勉強・研究を進めていきたいかについて, 少し先を見据えておくことは重要です。 皆さんの大学に於ける学修について,不安や悩み事・誰かに話してみたい事があれば気軽にどうぞ!数学の話や趣味,アルバイトの話題,雑談等何でも構いません。少しでも力になれればと思います。ぜひ学修相談ブースにお越しください! 次回私は10/28(水)16:00-17:30でブースに居ます。

私の研究・興味のある分野について②(数学専攻M1)

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今週から, 水曜日 16:00-17:30 金曜日 13:00-14:30 の時間の学修相談を担当している松岡です。 今回は,10/14(水)の活動記録で書いた「私の研究・興味のある分野」についての紹介の続きを書いていきたいと思います。今後ネタ切れが起きない限り続けていく予定です。(笑) 前回は「病的函数」というものを紹介しました。引き続き「病的函数」について紹介していきます。今回は,前回の内容でも述べたWeierstrassの病的函数というものがどんな形(グラフ)をしているかについて視覚的に紹介していきたいです。 函数 $f:\mathbb{R} \to \mathbb{R}$ を, \[ f(x)= \sum_{j=0}^{\infty}b^{j}\cos(a^{j}\pi x), \quad x \in \mathbb{R} \] で定義します。但し, $a$ を3以上の奇数, $b \in (0,1)$ を $ab>1+3\pi/2$ を満たすものとします。 この $f$ をWeierstrassの病的函数と呼び, 「$\mathbb{R}$ の全ての点で連続だが, 全ての点で微分不可能」という直感的には想像もできない病的な性質を持っています。 では, 実際にこの函数のグラフを見てみましょう. $a=13 \ , b=1/2$ とします. 右辺が級数で定義されているので,グラフを描く上で有限和で止めるために \[ f_{n}(x)= \sum_{j=0}^{n}\frac{1}{2^{j}}\cos(13^{j}\pi x), \quad x \in \mathbb{R} \] とおきます。 この $f_{n}$ を, $n=1,\cdots 9$ まで変化させ,その様子をgifで表してみましょう : こんな形になります。実際は右辺は無限和なので, これよりも更にギザギザした形になっていきます。上の画像だと $n=4$ ぐらいから線がつぶれて見えなってしまうので, 更に拡大して観察してみましょう: (プログラムの都合上 $n=8$ で止めています) 前回述べた通り, 直感的に言うと尖っている点では微分不可能になります。上のgifを観察すれば分かるように, 無限和で定義さ

10/19学修相談

本学内に富山県小学校教員志望で科目履修や教員採用試験に不安や困りのある方はいらっしゃいますか?普段の生活や学修の中のボンヤリした悩みをお持ちの方もいらっしゃいますか?  私、少しだけお力になれるかもしれません! たとえば、私は昨年、(留学のため1年休学したので)1回目の大学院2年生の時に富山県教員採用試験を初めて受けました。随分前から準備をしている方や、グループを作って試験対策を行っている方ばかりが目に入り、準備の準備すらできていない自分は劣等感を感じ、焦りと不安でいっぱいでした。そもそも、何を準備したらいいのか、筆記試験ではどのくらいの正答率が必要か(満点を取ってしまえばよいのですが)、小論文や面接、実技、模擬授業等はどう対策したらいいのか…。わからないことだらけでした。さらに、2年前には同級生が試験を受け、既に教員として働いている人ばかりがいると思うと、何故だかもっとネガティブな感情が溜まってしまいました。  ちなみに、私の場合、実際どうなったかというと、客員教授の先生にご相談させていただいことをキッカケに、優しい当時の4年生と大学院2年生、採用試験経験者、周りの友人や仲間の協力を得ることができ、無事に合格しました。協力してくださった方々におかれましては、心から感謝しております。あと、うまくできた自分の運と実力に拍手です。 といった経験があります。  これを読んでいるあなたはいかがでしょう? 上に書いたように、教員採用試験に関する悩みがあって、周りの人に聞きにくいことや個人で困難を抱えている方は、どうぞ、相談にいらしてください。 また、なにか目の前の目標や課題に対して、他人と比べて劣等感を抱いていたり、思うように踏み出せなかったりといった不安や焦りがある方、ぼんやりした悩みをお持ちの方や、ざっくりと困っている方も、赤の他人にぶちまけてストレス発散をしましょう。ということで、話をしに来てください! 以上、月曜日13:00-14:30担当のたばでした!

私の研究・興味のある分野について①(数学専攻M1)

  こんにちは。月&水曜日の学修相談を担当している松岡です。 今回は,自己紹介ページでも書いた,「病的函数」といわれる数学のある分野についての簡単な紹介をしたいと思います。 ここで紹介する「病的函数」とは, $\mathbb{R}$ 上で定義される実数値函数で,「 $\mathbb{R}$ の全ての点で連続であるが全ての点で微分不可能である函数」のことを言います。直感的に言うと,全ての点でグラフは繋がっているのにも関わらず,全ての点でトゲトゲしているようなグラフです。 私は高校二年生の時の数学の授業で,「ある点で微分可能ならばその点で連続である」というものを習いましたが,その逆は一般には成り立たない(例えば, $f(x) = |x|$ は $x=0$ で連続だが微分不可能)ということも併せて教えてもらいました。しかし,大学入学後すぐに現在私のゼミの先生に,上で述べた極端な反例である病的函数という存在を教えてもらいました。最初は直感的にその形(グラフ)を想像することも困難で,「本当にそんなものがあるのか」という困惑に近いものを感じました。それと同時に,数学の世界では私たちの直感に反する様々な事が起こり得るということに面白さを感じ,大きな興味を抱きました。 そこで1つ,ある病的函数の具体例を挙げておきたいと思います。 $a$ を3以上の奇数, $b\in (0,1)$ を $ab > 1+ 3\pi/2$ を満たすものとして, 函数 $f:\mathbb{R} \to \mathbb{R}$ を次のように定義します: \[ f(x) = \sum_{j=0}^{\infty}b^{j}\cos(a^{j}\pi x), \quad x \in \mathbb{R}. \] これは1875年にK.Weierstrassという人物により発表されました。この函数は先ほど述べた,「 $\mathbb{R}$ の全ての点で連続であるが全ての点で微分不可能である」という性質を持っています。より詳しく知りたい方は,「ワイエルシュトラス函数」と調べてもらえれば良いと思います。 次回以降も余裕があれば,私の興味のある分野・なぜ数学を学びたいかと思ったかについての諸々を書いていきたいと思います。次回は10/21(水)16:00-17:30でブー

10/12(月)学修相談その2

  改めまして,月曜日15:30-17:00&水曜日16:00-17:30の学修相談を担当している松岡です。 本日は人間発達科学部の方が来られました。主な相談内容は卒論のためのゼミで行き詰っている問題の解決です。 ゼミで扱っている主な内容は偏微分方程式に関するもので,今回彼が持ってきた物は,ある型の偏微分方程式を,変数変換などを施して解の表示を導出するというものでした。その中で,今回の相談でメインの問題になったのはある常微分方程式を解く上での固有値の計算です。 dx(t)/dt= Ax(t) という型の常微分方程式を考えていく過程で行列A(今回は3×3の実行列でtに依存しないもの)の固有値を求めなければいけないのですが,係数が煩雑で先に進めない状態でした。他にもそれらに関するいくつかの質問を受けました。私自身も学部の微分方程式の授業で学んだことなのですが,まだまだ理解できていないところもあり,今回はアイデアを出すのみで詳しい証明までには至りませんでした。後日の課題にしたいと考えています。 次回は10/14(水)16:00-17:30でやっています。興味のある方はぜひお越しください!

10/12(月)学修相談

皆様の中で、海外留学について興味のある方や素敵な留学を経験された方はいらっしゃいますか? 国内留学やオンラインでの外国語学習や異文化体験に詳しい方や経験済みの方もいらっしゃいますか? もしよろしければ、お話聴かせてください! 私の場合は、私費で語学留学を経験しました。留学の間は語学の学習や体験活動への参加はもちろん、あえて英語で書かれたものに絞って本を買って読んだり、修論の先行研究を読んだりしました。大変有意義かつ楽しい経験となりました。 ところで、費用のことと手配の過程で留学前に困ったことがありました。語学留学となると、交換留学や大学留学のように、様々な目的や活動等を加えなければ、給付型や貸与型の奨学金等は利用できないようでした。そのため、主に在学期間に借りることのできる奨学金を増額して貯めて、語学学校の入学金や授業料、航空券、生活費を賄いました。こんな力技で解決はしてしまったので、返還することを考えると気が重くなります…また、主に個人で手配するということで、パンフレットやインターネットで留学先を決め、エージェントに直接連絡をとって契約をして語学留学をしました。ここでも、何もわからず始めてしまったので、正直どうすればいいのかと困りました…今更ですが、何か他に良い案があれば教えてください… ちなみに、交換留学や大学留学、トビタテ、海外留学奨学金等に関するお話は、大学では各所で相談に乗っていただけたり、支援していただけます。 私費で語学留学となると、私のように相談する相手がおらず、困ることの多いからもいらっしゃると思います。少しだけでもお力を貸せるかもしれませんので、よければお声がけください。不安の解消程度に… 以上、毎週月曜13:00-14:30を担当しております、たばでした。

10/5(月)学修相談開始(その2)

 月曜日15:30-17:00&水曜日16:00-17:30を担当している松岡です。 今回は理学部物理学科の方が来られました。主な相談内容は物理学と数学の分野を結ぶ学際的な分野の事情についてです。 物理のある分野をより詳しく厳密に学ぶために必要な数学の諸分野(代数,位相空間論,函数解析学など)を熱心に勉強されている様子でした。 数学・物理学に限らず,それらの種々の分野の土台となる部分をきちんと勉強し,将来の自分の専攻や自分が真に面白い・興味深いと感じるものについて研究が出来るように視野を広げておくことは非常に重要なことです。様々な分野のアイデアに触れ,それらを積極的に取り入れるということを心の片隅に置いておけば良いのではないか,と強く実感しました。 今回の学習相談を通して,逆に私自身も多くの学びを得た非常に良い機会であったと感じます。 来週も同時刻にブースに居ます。興味のある方はぜひお越しください!

10/5(月)学修相談開始

月曜日13:00-14:30を担当しています、たばです。 今日は、人発の院生の方が来られました。テーマは、進路と研究、趣味についてでした。 進路と研究の話では、言語学に特に詳しい相談者の持つ知識と情報は、私にとって学びの多いものでした。相談というより話し合いのような感じでした。「当たり前のことをわざわざ改めて堂々と述べる意味」とは一体どういったものなのでしょうね? 趣味の話では、相談者はギターでNirvana「Smells Like Teen Spirit」を弾くことができ、目標はMetallica「Master of Puppets」を弾くことだ、というものでした。話し合いの結果、スモールステップでいこうということで、Sum 41「Still Waiting」を弾いてみることになりました。 来週も同時刻でブースにおります。お時間のある方やお暇な方、是非お越しください。