歴史研究の研究材料
こんにちは、さとうです。
最近、急に寒くなってきました。
「雨が降ってるから今日は寒いのかな」と思っていたのですが、晴れていても寒いですね。
もう長袖の季節ですね。
今回は歴史を専門にしている人は何を使って研究しているのかについて書いていこうと思います。
僕の専門の中世ドイツに関わるような具体的なものも紹介していきたいと思います。
歴史研究は史料というものを使います。(資料ではなく史料)
人文学部の歴史系の授業でも、どういうものかの説明があり、その授業にならい、僕も歴史学の事典から紹介させていただきます。
史料とは…
「歴史学の研究・調査と叙述の基本となる根拠素材のこと。かねて、わが国では文字によって記載されてきた同時代の記録を、おもに史料と総称してきた。」
(『歴史学事典6ー歴史学の方法ー』弘文堂、1998年、309頁。http://opac.lib.u-toyama.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BA38972687?hit=11&caller=xc-search)
さらに、国立国会図書館のホームページでは、紙媒体の記録以外で絵画や録音、映像、遺跡なども史料と説明されてます。(https://www.ndl.go.jp/modern/guidance/whats01.html#:~:text=%E3%81%95%E3%81%A6%E3%80%81%E9%81%8E%E5%8E%BB%E3%81%AB%E5%AD%98%E5%9C%A8%E3%81%97%E3%81%9F,%E6%84%8F%E5%91%B3%E3%81%AE%E5%8F%B2%E6%96%99%E3%81%A7%E3%81%82%E3%82%8B%E3%80%82)
つまり、史料は主に昔、当時の人が文字などで残した記録のことを指します。
例えば、政府などが発行した正式な文書(公文書)や法令、手紙、日記といったものです。
さらに西洋史分野で例を挙げるとするならば、イギリスの「マグナ・カルタ」やフランスの「人権宣言」といったものです。
「マグナ・カルタ」や「人権宣言」などは日本語で全文・一部読むことが出来たり、原文を日本で入手出来たりするものもあります。
世界史の史料は『世界史史料』(岩波書店)でいくつも翻訳されています。
世界史の授業でも聞いたことのあるものから、聞いたことのないものまで入っているので、興味がある方は読んでみてください。
僕の専門分野の話に移ります。
僕は『金印勅書(Die Goldene Bulle)』というものを研究しています。
これはいろいろな本で、一部翻訳されていますが、全文を翻訳されているものはありません。
なので、原文や英語・ドイツ語訳を探すことから始めました。
CiNiiを使ってどんな文献があるか探し、購入したり、図書館を通じて借りたりしました。
(実際僕が使っている本はKarl ZeumerのDie Goldene Bulle Kaiser Karls IVというものです。)
研究する上で『金印勅書』以外にも史料が必要となり、それを探すうえで役に立ったのが、Monumenta Germanie Historica(MGH)でした。
これはドイツで編纂された、中世のものを扱った史料集です。
図書館にもいくつか雑誌コーナーや4階に所蔵されています。
・雑誌コーナーにあるものの一つ
・中央図書館4階に製本されたものの一つ
Kongreßdaten und Festvorträge, Literatur und Fälschung | 富山大学附属図書館 OPAC (u-toyama.ac.jp)
また、このMGHはインターネット上でも閲覧することがます。
もし、インターネット上で見てみたいという方は、木曜15:30-17:00の間にブースまでお越しください。
歴史研究はこのような史料を使って研究します。
読むにはドイツ語、フランス語、ラテン語等の言語力が必要ですが、ぱらぱらと見るだけでも面白いです。
図書館にもさまざまな史料・史料集が日本語・原文問わず置いてあったりするので、探して、読んでみてください。
以上、さとうでした。