中世ヨーロッパと食

 こんにちは、さとうです。


ここ数年、肩こりを感じます。

小学校以来の猫背なので、肩への負担がたまっているのでしょうか。

40代、50代になったときの肩の調子が心配です。



僕、料理するのが好きで、基本はキーマカレーを作るのですが、気が乗ったらいろいろ作っています。

最近、中世ヨーロッパの料理作ってみたいなと思い調べていると、

今年の夏に歴史の料理についてまとめられた本が出版されていました。

それが次の本です。

遠藤雅司『食で読むヨーロッパ史2500年』山川出版社、2021年。

(食で読むヨーロッパ史2500年 | 富山大学附属図書館 OPAC (u-toyama.ac.jp))


また、この本以外にも、

遠藤雅司『歴メシー世界の歴史料理をおいしく食べる―』柏書房、2017。

(歴メシ! : 世界の歴史料理をおいしく食べる | 富山大学附属図書館 OPAC (u-toyama.ac.jp))

といった本があります。


これらの本は歴史上の料理・食文化について書かれており、レシピも載っています。

富山大学図書館にありますので、ぜひ借りて作ってみてください。


著者の遠藤さんは「音食紀行」というプロジェクトを主宰しているようで、気になる方はこちらも見てみてください。

(音食紀行 | 音食紀行の公式サイト(総合情報ページ)となります。 (onshokukiko.com))

または「音食紀行」で検索



今回は、『食で読むヨーロッパ史2500年』を借りれたので、こちらをベースに中世ヨーロッパの料理について、

また僕の専門のところでも食卓について関係ある部分があるので、それらについて書いていきたいと思います。


前々回、歴史研究の材料は史料と呼ばれるものと書きました。

公文書や書簡、日記などを史料と言います。


そして、歴史上の料理も史料として、料理書、料理指南書が残されています。

古代の料理書としては『アピキウスの料理帖』(注1)、中世初期にはアンティムスの『食べ物に関する省察』(注2)、中世中期から後期にかけては『料理指南』(注3)といったものがあります。

細かい調味料の分量を記していない場合もありますが、「○○には△△があう」のような説明がなされています。



また、本の最後の方に乗っているレシピを見てみると、一般家庭では使わない・手に入りにくい材料などが使われていました。

イノシシ肉はいったいどこで手に入るのでしょうか...


『食で読むヨーロッパ史2500年』についてはこの辺で。

実際のレシピ、中世人の食生活などが気になる方は、是非この本をお取りください。




続いて、僕の専門に関してです。

僕の研究対象の『金印勅書』(1356年)には国王・皇帝の宮廷における食卓や飲食に関する役職について規定されている条文があります。


『金印勅書』で特別な特権を与えられて選帝侯と呼ばれる人たちのうち、

ボヘミア王(ベーメン王)には献酌侍従長(Erzschenk)の名誉職が、

ライン宮中伯には大膳職長官(Erztruchsess)の名誉職が、

それぞれ与えられました。


献酌侍従長は酒に関する職、大膳職長官は食べ物・食卓についての職です。

帝国の高級身分に飲食に関わる長官職を与えたのは僕にとっては意外でした。

史料を読むといろいろな発見があり、楽しいです。



以上、さとうでした。



(注1)遠藤、2021年、27頁、60頁。

(注2)同上、60-61頁。

(注3)同上、66頁。