私の研究・興味のある分野について①(数学専攻M1)

 

こんにちは。月&水曜日の学修相談を担当している松岡です。
今回は,自己紹介ページでも書いた,「病的函数」といわれる数学のある分野についての簡単な紹介をしたいと思います。
ここで紹介する「病的函数」とは, $\mathbb{R}$ 上で定義される実数値函数で,「 $\mathbb{R}$ の全ての点で連続であるが全ての点で微分不可能である函数」のことを言います。直感的に言うと,全ての点でグラフは繋がっているのにも関わらず,全ての点でトゲトゲしているようなグラフです。
私は高校二年生の時の数学の授業で,「ある点で微分可能ならばその点で連続である」というものを習いましたが,その逆は一般には成り立たない(例えば, $f(x) = |x|$ は $x=0$ で連続だが微分不可能)ということも併せて教えてもらいました。しかし,大学入学後すぐに現在私のゼミの先生に,上で述べた極端な反例である病的函数という存在を教えてもらいました。最初は直感的にその形(グラフ)を想像することも困難で,「本当にそんなものがあるのか」という困惑に近いものを感じました。それと同時に,数学の世界では私たちの直感に反する様々な事が起こり得るということに面白さを感じ,大きな興味を抱きました。
そこで1つ,ある病的函数の具体例を挙げておきたいと思います。
$a$ を3以上の奇数, $b\in (0,1)$ を $ab > 1+ 3\pi/2$ を満たすものとして, 函数 $f:\mathbb{R} \to \mathbb{R}$ を次のように定義します: \[ f(x) = \sum_{j=0}^{\infty}b^{j}\cos(a^{j}\pi x), \quad x \in \mathbb{R}. \] これは1875年にK.Weierstrassという人物により発表されました。この函数は先ほど述べた,「 $\mathbb{R}$ の全ての点で連続であるが全ての点で微分不可能である」という性質を持っています。より詳しく知りたい方は,「ワイエルシュトラス函数」と調べてもらえれば良いと思います。
次回以降も余裕があれば,私の興味のある分野・なぜ数学を学びたいかと思ったかについての諸々を書いていきたいと思います。次回は10/21(水)16:00-17:30でブースにいます。興味のある方はぜひお越しください!