大学生のときに読んでおくべき本(質問回答)

こんにちは!人文のSATOです。 



 だんだん気温が上がり、暑い季節になってきました。 
晴れてはいるので洗濯は干せてうれしいのですが、こうも暑いと考えものですね。 



 さて、今回は質問が来ていたので、僕のほうから回答させていただきます。

 質問「大学生の時に読んでおくべき本があれば、教えてください」とのことでした。 


 これは僕も学部生の時に先生方にお聞きしたことがあります。 

 「読んでおくべき本はないか」「これを読まなきゃいけいけないのでは?」と不安にもなりました。


 これは実際、人によって何に重点を置くかによっても変わってくるので、僕個人としては一概に「コレ!!!」と断言するものがありません。

 なので、今回は質問者様には申し訳ないのですが「読むべきもの」より、「こんな本、読んでみたら?」というような提案形式で回答させていただきます。 

 また、最後に人文系の本を少し紹介させていただきます。 



 まず、個人的な経験から「読んでみたらいい」本の方向性として、2つ挙げたいと思います。

 どちらも一般的には言われているのですが、僕の感想も併せてお伝えしたいと思います。


 1つ目は、「自分の専門外」のものです。

 僕の場合で言えば、専門が西洋史なので、人文系の中で少しずれてアジアの言語や文化から、他の理系の分野の本、数学や生物、情報科学など、幅広いものを。 
さらには、文学作品など。


 理由としましては、一般的に言われているように「教養を広げる」ため。また、研究のヒントを得るため、ほかの人とのコミュニケーションのきっかけのため。

 これに関しましては、僕も同じような考え方です。

 いろんなものを見て、知って、それを考えることにつなげるために、自分の専門外の分野のものも読むことをお勧めします。


 特に、僕はそれぞれの分野の古典作品の本、、教科書に出てくるような本、例えばアインシュタインの『相対性理論』(岩波書店)やアリストテレスの『形而上学』(岩波書店)といった本です。 

 僕自身、歴史をやっているせいか当時の人が何を考えたのか興味があり、それを知るためにはその人が書いた本を読むといいかなと思っています。

 これらの本の多くは専門外の人にとって難しい内容だと思うので、新書・文庫サイズのものから、そしてわからなければ解説書を! 



 2つ目の理由は「自分の専門」の本です。

 これは、当然といえば当然なのですが、僕はこれをさぼり気味だったので非常に後悔しています。


 僕の場合、専門が「中世後期のドイツにおける、ある法律の制定」に関するものです。

 卒論を書く段階ではこれを甘く見てました。

 まず、必要なのはもちろん先行研究でした。


 しかし、そういったものを理解するために多くの知識が不足していました。 

 ドイツの当時の状況はどうだったか?なぜそのような状況になったのか?政治体制はどうか?そもそも国王・皇帝ってなんだ?貴族の基準は?貴族と騎士の違いは?どんな風習・習慣だったのか?なぜ、そういう考え方に至ったのか?...などなど疑問が次から次へと出てきました。


 それを調べるためにはいろんな本を、概説・入門書から専門書まで読む必要があります。

 卒論時にこんな後悔をしたので、修士になってからは、基本に立ち返って入門・概説書などを読みました。 

 なので、僕からは、まだ専門分野・研究分野が決まっていない人もいると思いますが、入門・概説書でもいいので、早め早めに「専門」の本を読むことをお勧めします。



 長くなってしまいましたが、読んだほうがいい本は「専門外」「専門」の本ということになります。 

 どちらも、まず「興味・関心」を持つことが前提だと思います。(興味や関心がないと、読むのがつらいので…) 


 最後に、人文系で「読むといい」本を紹介して終わりたいと思います。(少し、歴史系に寄っていますが...) 

 ・マックス・ウェーバー(ヴェーバー)著、大塚久雄訳『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』改訳、岩波書店、1989。 

・マックス・ウェーバー(ヴェーバー)著、濱嶋朗訳『権力と支配』講談社、2012年。

 ・マルクス、エンゲルス著、森田成也訳『共産党宣言』光文社、2020年。 

 ・マルク・ブロック著、堀米洋三監訳『封建社会』岩波書店、1995年。


 あとは友人と「『羅生門』とか読んだことないな」と話したことがあり、そういったのも読んでおくとよいのかもしれません。

 流行の本を読んで楽しむことに加え、古典作品といったものも読んではいかがでしょうか?