さとうの自己紹介(専門分野)

 こんにちは、月曜15:30-17:00担当のさとうです。


他のコンシェルジュさんがご自身の専門について紹介しているので、僕も真似して自分の専門について、今回書いていこうと思っています。


僕の専門は、広く言えば「中世ドイツ史」です。


「中世」といっても時代の幅は広く、西洋史の分野では一般的に「ゲルマン人の大移動(375年)」「西ローマ帝国の滅亡(476年)」くらいから「ルネサンス(16世紀)」とされています。


その長い時代の中で、僕は中世の後半、1356年カール4世という皇帝によって制定された「金印勅書」と呼ばれる法文書を研究しています。


「金印勅書のトリーア写本」(ドイツのWikipediaより)
Goldene_Bulle_-_Komplettansicht.JPG (4320×3240) (wikimedia.org)

*画像はパブリックドメイン

一応、高校世界史の教科書にも載っているのですが、1~2文くらいの説明で、僕も授業で発表する論文探しの時まで忘れていました。


教科書的には…

神聖ローマ皇帝カール4世が「金印勅書」を発布し、七選帝侯が決定され、国王選挙規定が確定した。しかし、「金印勅書」で大諸侯に特権が認められ、領邦が独立した要因となった


小難しい単語がたくさん出てきて、よくわからない人もいると思います。

僕も高校時代、よくわからなかったです。


大学入試以降、授業用の論文を探すまで「金印勅書」や「七選帝侯」自体忘れていたのですが、ある論文を読んで「これはおもしろい‼」と思いました。


その論文では、「金印勅書」で特権を認められた選帝侯カール4世の息子で当時の国王のヴェンツェル廃位して、自分らの仲間から新たな国王を選ぶという出来事を扱っていました。


このことは世界史の教科書には載っておらず、僕もこの論文を読むまで知りませんでした。


僕はこの論文を読んで、「皇帝から特権をもらったのに、その息子を廃位するなんて!」と驚き、この中世ドイツという時代・地域にとても惹かれました。


卒論では、当時のドイツやその周辺の政治的状況やカール4世の自叙伝、「金印勅書」から、勅書制定の目的を探っていきました。


現在も引き続き、「金印勅書」をテーマに研究を行っています。



このブログを読んで、中世ヨーロッパや「金印勅書」、「皇帝」、「選帝侯」に少しでも関心が出た人は、月曜15:30-17:00中央図書館一階のコピー機横のブースまでお越しください。